【2017年版】急性・慢性心不全関連 -前編-

問1. 以下のACCF/AHA心不全ステージ分類に準じた文章で、ステージC相当のものをえらべ。 a) 健康診断で無症候性の心室性期外収縮と糖尿病を指摘されて精査を受けたが、特に期外収縮は1日に数回程度であり、器質的心疾患は無く、心不全症候もない。 b) 高血圧症と糖尿病で内服加療中の患者であり、無症候性に収縮期雑音が聴取されたために心エコー図を行ったところ、軽度の僧帽弁逆流が同定された。 c) うっ血性心不全で入院歴があり、拡張型心筋症と診断されているが、内服加療で良好に経過しており、数年間心不全の増悪もみられていない。 d) 至適薬物治療を行っていても、年間2回以上の心不全入院を繰り返している患者で、日常生活程度の労作でも息切れを自覚している。 e) 体外循環補助装置を装着しており、安静時でも心不全症候が認められている。

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問2. 心不全の血行動態指標に関して、正しいものをえらべ。 >a) ForresterⅡ型は、心係数2.2 L/分/m2以上、肺動脈楔入圧18mmHg 以下である。 b) Nohria-Stevenson分類でのProfile Bとは、低灌流所見が無く、うっ血所見も無いものである。 c) Norhria-Stenvenson分類上、短期間での死亡例はProfile LとCに多かった。 d) 四肢冷感があり、頸静脈怒張や浮腫がある場合は、Norhria-Stenvenson分類でのProfile Lに相当する。 e) 脈圧が小さい場合は低灌流所見の可能性を考慮する。

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問3. 心不全を診断するうえで、誤っているものを二つえらべ。

a) 血中のBNP値やNT-proBNP値は、年齢や腎障害、貧血、体格などでは左右されないため、心不全を疑った場合にこれらの指標で一律に診断することができる。

b) 夜間呼吸困難、頸静脈怒張があれば、フラミンガム基準上は心不全と診断できる。

c) 臥位の状態で、内頸静脈の怒張が確認されれば、静脈圧は亢進していると推定される。

d) 胸部レントゲン写真でbutterfly shadowが認められた場合、肺静脈圧は30 mmHg以上と推定される。

e) 左心駆出率>50%以上の心不全患者において、拡張能障害を判断する指標はE/e’、e’、三尖弁逆流速度、左房容積係数の4点である。

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問4. 運動耐容能に関して、誤っている記載をえらべ。

a) 身体活動能力指数(SAS)上、ラジオ体操は3-4METs相当である。

b) SAS上、庭いじりは4METs相当である。

c) SAS上、健康人と同速度で2階まで昇っても平気であれば、5-6METs相当である。

d) SAS上、健康人と同速度で平地を100-200m歩いても平気であれば、2-3METs相当である。

e) SAS上、急いで平地を200m歩いても平気であれば、6-7METs相当である。

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問5. 心不全予防に関して、危険因子に対する介入の推奨クラスがclassⅠではないものを二つえらべ。

a) 高血圧例へのサイアザイド系利尿薬の投与

b) 冠動脈疾患例において、心筋梗塞発症3日以降、かつ28日までの完全閉塞責任冠動脈に対するPCI施行

c) 心血管既往のある2型糖尿病例へのエンパグリフロジン、またはカナグリフロジンの投与

d) 肥満・糖尿病例への禁煙指導

e) 肥満・糖尿病例への節酒指導

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問6. 左心駆出率の低下した心不全(HFrEF)への薬物療法において、classⅠのものをえらべ。

a) 禁忌を除く、全ての症例に対するACE阻害薬の投与

b) 無症状の収縮不全心症例に対するβ遮断薬の投与

c) ACE阻害薬未導入の収縮不全心に対する抗アルドステロン薬の投与

d) ループ利尿薬抵抗性の体液貯留に基づく心不全症例へのバソプレシンV2受容体拮抗薬の投与

e) 狭心症、高血圧を合併していない患者に対するカルシウム拮抗薬の投与

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