急性冠症候群の診療について【2018年版】-後編-

問22. ACSに合併する不整脈に関して、正しいものをえらべ。
a) PCIが主流となった現代において、AMI後のVTやVfの発生率は1%程度である。
b) アミオダロン抵抗性のVT/Vf症例の場合、まずはリドカインを用いる。
c) ACS発症48時間以降に発症した持続性VT/Vf症例の場合、植え込み型除細動器の適応となる。
d) 促進心室固有調律が認められた場合、速やかに電気的除細動を行う。
e) 頻脈性の心房細動が認められた場合、まずはジゴキシンを投与する。
解答を読む


問23. ACSにともなう心原性ショックについて、正しいものをえらべ。
a) 収縮期血圧100mmHgであっても心原性ショックの狭義の定義に合致する。
b) 機械的合併症を有する症例にはハートチームで協議する。
c) 機械的合併症を有する症例に対してIABPは無効である。
d) 心原性ショックにおいて、とくに血圧が低い場合はドブタミンを第一に使用する。
e) ショック状態でもβ遮断薬を休薬するのは好ましくない。
解答を読む


問24 ACSに関与した急性腎障害について、誤っているものを二つえらべ。
a) 腎障害の予防のため、カテーテル手技の前後で1ml/kg/時の輸液をおこなうことが望ましい。
b) 腎障害予防で用いる補液は生理食塩水が望ましい。
c) カテーテル手技後、透析で体内の造影剤を可能なかぎり除去することが望ましい。
d) カテーテル手技後、肺うっ血が無くともフロセミドで利尿をかけて体内の造影剤を排出することが望ましい。
e) 腎障害予防のため、造影ずる数時間前に重炭酸ナトリウム液を使用する場合もある。
解答を読む


問25 梗塞後心膜炎に対する処置として誤っているものをえらべ(『旧ST上昇型心筋梗塞症について-2013年版-』の問4と同一の問題)。
a) 高容量アスピリンを用いた。
b) アスピリン無効例に対しアセトアミノフェンを用いた。
c) 難治性の場合にコルチコステロイドを用いた。
d) 鎮痛目的でNSAIDSを用いた。
e) 鎮痛目的でイブプロフェンを用いた。
解答を読む


問26 心臓リハビリテーションについて、正しいものをえらべ。
a) 早期離床のため、ST上昇持続例や心嚢液が進行性に増加してきている例であっても、リハビリテーションは積極的におこなう。
b) 亜急性期の5METs以下の運動耐用能の症例は予後不良である。
c) 起立性低血圧を起こしやすいため、数時間単位での座位保持は避けるべきである。
d) 不感温度(36℃)での温水浴は不整脈を惹起する。
解答を読む


問27 ACSに関わる病態について、誤っているものをえらべ。
a) 本邦においては、女性での発症例は高齢者であることが多く、そのぶん腎障害などを併存しやすい。
b) 急性大動脈解離の3-15%でACSを合併する。
c) 冠攣縮性狭心症ではプラークが破綻することはない。
d) 特発性冠動脈解離では、造影で解離所見を確認できず、血管内超音波などでの冠動脈イメージングを用いて診断がつく例も多い。
e) 大動脈弁の病変は、冠動脈塞栓症の原因となりうる。
解答を読む


問28 ACS二次予防の観点で、禁煙を促す5Aアプローチについて、誤っているものをえらべ。
a) Aim
b) Advise
c) Assess
d) Assist
e) Arrange
解答を読む


問29 ACSの二次予防上の薬剤について、誤っているものを二つえらべ。
a) 出血リスクが高い症例において、二剤抗血小板療法と抗凝固薬による三剤併用療法を長期間行うことは望ましくない。
b) 二剤抗血小板療法の継続期間に関して、欧米ではPRECISE-DAPTスコア、もしくはDAPTスコアのツールが知られている。
c) いかなる症例においても、ACSを来たした症例には高用量のストロングスタチンを投与する。
d) 最大用量のスタチンを用いてもLDLコレステロール値が70mg/dl以下に達しない場合は、エゼチミブの追加を考慮する。
e) 糖尿病合併例では、SGLT2阻害薬を積極的に使用する。
解答を読む


返信する

必須項目には印がついています*