もう、いつテレビをつけてもコロナ、コロナですね。

朝から晩までCOVID19の報道ばかり。
yahoo!のトップニュースでも『新型コロナウイルス』の名前が出てこない日はないですね。

政府の方は、国民がパニックに至らないように火消しに奔走している雰囲気があります。

オリンピックに影響が出ないように・・・と邪推されたり、対応が後手後手だという批判もされたりしているけど、厚労省をはじめとした政府職員も一生懸命にやっていると思うけどな。

いいのよ、池田くん。
無理して他の人とちがう意見を言わなくっても。

そんなんじゃないよ。
ただ、だれも予測がつかないものだったんだから、寄ってたかって責め立てるわけにはいかないじゃないか。

平成の時代に、震災をはじめとするいろんな災害に見舞われてきた教訓ですよ。
こういうときこそ、寛容の意思をもたないと。
大変なときこそ、励ましあうべきじゃないですか。

でも・・・。

「防ぎようがない」
「治しようがない」
そういう疾患に、いつ自分がかかるかわからないのは確かに恐怖ですよ。

もっと実態がわかってくれば、安心感も持てそうなもんですが・・・。

現状は、だんだん集団ヒステリーじみてきているしね。
意味不明な「〇〇がコロナに効く！」とか、トイレットペーパーの買い占め騒動とか・・・。

はい。

構造って・・・ゲノム解析とかですか？

・・うへえ・・・。
ぜんぜんわからない分野です・・。

うわー！！知らない単語ばかりですっ。

ムリですよ、ムリ。

すみません、βコロナってなんですか？

今回見つかったCOVID-19のウイルスがβコロナってことは、あのSARSやMERSの仲間なんですか？

相動性・・・えーと、”共通の祖先”っていう意味でしたっけ？

ははぁ・・・なるほど。

じゃあ、ヒトに悪さをするSARSウイルス(便宜的にSARS-CoV1とでも呼ぶべきか)との相動性はどのくらいなんですか？

似て非なるもの・・・ということは、
(仮にSARS-CoV2がコウモリからヒトにうつったものだとしたら・・・ですが、)
コウモリからヒトにうつる途中段階で、なにか中間宿主がいたために少しウイルスの構造が変化したってことですか？

今回の騒動の発端が、生きた動物を販売していた海鮮卸市場だったのは、そういうことだったんですね。

だとすると、まずいですよ。

その中間宿主も同定しないと、いくらヒト側でCOVID19を抑えても動物側で蔓延したら、もう手に負えなくなるじゃないですか。
世界中がその海鮮卸市場になっちゃいませんか？

いやなこと言うのね、池田くん。

えええ！？
(なぜ、叩かれる？？)

そうですね。
どこで悪さしているかがわかれば、治療方針の手掛かりになるでしょうから。

ACEといえば、レニン・アンジオテンシン系のことですか？

レニン・アンジオテンシン系って、体内に水と塩をため込むシステムのことでしたよね。

脱水のときにオシッコが濃く、そして少なくなるのは、このレニン・アンジオテンシン系がはたらいて、体内から水と塩が逃げ出さないようにしてくれているからでしたよね。

えーと、体から水と塩が逃げるのを邪魔する・・・のをさらに邪魔するんだから、・・・つまり「ACE2は体から水と塩を捨てちゃう」ってことですか？

そうですね。
前負荷・・・つまり心臓の左室に流れ込んでくる血液量が減れば、それを押し出す心臓の立場で言えば荷物が軽くなるようなもんですから

！

だから、肺炎というよりも両側性の肺うっ血像を示したり、心血管系の既往がある人がハイリスク例になるんですか？

うーん、それにしてはちょっと短絡的な気も・・・。

それに、前回紹介した、99例と138例の後ろ向き研究によると、COVID19の肺炎ではARDSを合併する、とあります。
ARDSの定義自体、うっ血性心不全の除外からスタートしますから、ACE2阻害のみではちょっと説明がつきにくいですもんね。

あ、すごい！
Nature誌で日本人が筆頭著者だ。

見るとこはそこじゃない・・・。

Evans Blueって、血液中のアルブミンと親和性が高いんでしたよね。
だから、この色素が血管外に漏れてくれば、漏出ということになるんですね。

論文中のFigureをみると、肺組織が全然ちがうのがわかります。

3月2日に掲載された、シクレソニド(オルベスコ®)がCOVID19に著効した報告などはインパクトがありましたしね。

・・・かと思いきや、同時期のテレビなんかで「新型肺炎予防のためにツナサンドを食べよう」なんて無根拠なこともやってましたが・・・。

・・・しかも医師監修。

そうですね。
騙されないようにするだけではなく、無自覚に医療者側から騙してしまわないように、新しい知見はなるべく早くチェックするべきでしょうね。