急性冠症候群の診療について【2018年版】-中編-

問10 ACSへの初期治療に関して、誤っているものを二つえらべ。
a) 硝酸薬投与中に血圧が低めに経過している場合、ACE阻害薬やβ遮断薬の導入よりも硝酸薬の継続を優先する。
b) 勃起不全治療薬を服用して24時間以内の症例に対する硝酸薬の使用は禁忌である。
c) 右室梗塞例への硝酸薬の使用は禁忌である。
d) ACSでの持続性胸痛に対しては塩酸モルヒネが有効である。
e) アスピリン喘息の既往があっても、ACSの場合にはアスピリンの使用が許容される。
解答を読む


問11 ACSへの経皮的冠動脈形成術(PCI) について、誤っているものをえらべ。
a) ベアメタルステント(BMS)が第一選択である。
b) 橈骨動脈穿刺が第一選択である。
c) ルーチンでの血栓吸引療法は推奨されない。
d) 非責任血管へのPCIの実施については、classⅡb相当である。
e) ACSへの緊急PCIは、予後を改善する。
解答を読む


問12. Primary PCIに関する記述として、正しいものをえらべ。
a) 使用ステントは薬剤溶出型ステントが第一選択となる。
b) ACSと診断して、病変部にデバイスを通過させるまでの目標時間は90分以内である。
c) ACS発症から24時間以内のPCIが望ましい。
d) ACS発症から24時間以上が経過しており、血行動態が安定していても、積極的にPCIを行うことが望ましい。
e) 本邦において、高齢者の症例であっても、心原性ショックを合併したACSへのprimary PCIは予後を改善する。
解答を読む


問13. Primary PCIに関する記述として、正しいものを二つえらべ。
a) 心肺停止から自己心拍が再開したら、原則的に全例冠動脈造影を行う。
b) ACSへの血栓吸引療法のルーチン使用は推奨されない。
c) 経橈骨動脈アプローチを第一に考える。
d) アスピリンとチエノピリジン系抗血小板薬の内服は、ステントを留置する寸前に行う。
e) プラスグレルはクロピドグレルよりも薬効の個体差が大きい。
解答を読む


問14. Primary PCIで使用される抗血小板薬として、最も推奨度が低い薬剤はどれか。
a) バイアスピリン
b) シロスタゾール
c) クロピドグレル
d) プラスグレル
e) チクロピジン
解答を読む


問15. 抗血栓薬に関して、正しいものを二つえらべ。
a) 2018年版のガイドライン以降、2剤併用抗血小板療法(DAPT)の継続期間は1年間と定められた。
b) DAPTにおいて、アスピリンとの併用が推奨されている薬剤は、クロピドグレル、もしくはシロスタゾールである。
c) DAPTにおいて、チエノピリジン系抗血小板薬の投与が困難な場合は、チカグレロルの投与を考慮する。
d) 抗凝固薬の併用が必要な症例にDAPTを導入して三剤併用の抗血栓療法になった場合、ステント内血栓症予防のため三剤併用療法は必ず継続するべきである。
e) ACSに対するアスピリン単独での血管系死亡率の低下作用は23%前後である。
解答を読む


問16. ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)に関して、誤っているものをえらべ。
a) Ⅰ型HITの血小板数は、ヘパリン継続下でも自然に回復する。
b) Ⅰ型HITによる血小板低下は、ヘパリン投与5~14日後に発症する。
c) Ⅱ型HITは主として抗PF4・ヘパリン複合体抗体(HIT 抗体)の産生による。
d) HITへのアルガトロバン使用は保険適応外である。
e) アルガトロバンは肝代謝性である。
解答を読む


問17. 急性冠症候群に対する血栓溶解療法の絶対的禁忌ではないものを二つえらべ。
a) 頭蓋内出血の既往
b) 6か月以内の脳梗塞
c) 出産1か月以内
d) 1か月以内の消化管出血
e) 重症高血圧
解答を読む


問18. 非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)における治療戦略上、早期の侵襲的治療戦略が妥当とされるものを二つえらべ。
a) 心電図変化がある例
b) 糖尿病合併例
c) 腎機能障害合併例
d) 早期の梗塞後狭心症
e) 薬物治療抵抗性の持続性胸痛の例
解答を読む


問19. CCUでの一般治療に関して、正しいものをえらべ。
a) ルーチンで酸素投与をおこなう。
b) 急性期は、インスリン持続注射などを用いながら積極的に血糖管理をおこなう。
c) 導尿留置カテーテルはルーチンで挿入する。
d) 入院時にHbA1cを用いて、糖尿病のスクリーニングを行う。
e) 上記のいずれも不適切である。
解答を読む


問20. ACS症例への薬剤投与に関して、正しいものをえらべ。
a) STEMIへのβ遮断薬投与で心原性ショックの発症率が低下する。
b) レニン・アンジオテンシン系阻害薬は、全ての症例にルーチンで投与する。
c) 高度徐脈を伴っていても、硝酸薬は使用することが推奨される。
d) 短時間作用型ジヒドリピリジン系Ca拮抗薬のルーチン投与が推奨される。
e) LDLコレステロールの値に関わらず、可能な限り最大量のストロングスタチンのルーチン投与が推奨される。
解答を読む


問21. ACSに対する補助循環に関して、誤っているものをえらべ。
a) 大動脈内バルーンポンプはAMIの30日死亡率を改善させる。
b) IMPELLA補助循環用ポンプカテーテルは経皮的に装着できる。
c) 心室中隔穿孔は、静動脈体外膜型人工肺(VA-ECMO)の良い適応である。
d) 薬剤不応性の心原性ショックは、VA-ECMOの良い適応である。
e) 心筋虚血の範囲が大きく、IABPなどの補助循環からの離脱が困難な場合は左心補助装置(LVAD)の適用を考慮する。
解答を読む


返信する

必須項目には印がついています*