心房細動治療(薬物)について 2013年版

問1 心房細動に関して正しいものをえらべ。
a) 80歳以上での有病率は40%である。
b) 肥大型心筋症との合併例は予後良好である。
c) 発症後一か月間続く心房細動を持続型という。なお1年以上続くものを長期持続型と呼ぶ。永続型とは、除細動不能例を指す。
d) 心房細動には遺伝的関与が挙げられる。
e) 心房細動の発生機序にリエントリーは関与していない。
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問2.心房細動における電気的・構造的リモデリングの説明として誤っているものをえらべ。
a) 複数興奮波のリエントリーが成立するためには、興奮波長が十分に短いか、心房自体が拡張している必要がある。
b) 興奮波長は伝導速度×不応期で決定されるため、伝導速度が遅いか不応期が短いことが心房細動持続の必要条件となる。
c) 「atrial fibrillation(AF) begets AF」という概念は、頻脈性心房細動で心房の不応期が短縮し(電気的リモデリング)、複数興奮波のリエントリーが可能となるもので、心房細動の慢性化の要因として重要である。
d) 高頻度興奮による細胞内Ca2+蓄積と膜Ca 電流の減少、活動電位持続時間の延長が考えられている。
e) 心房細動が長期に持続すると心房筋の肥大や線維化、ギャップ結合の変化などが生じる(構造的リモデリング)。
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問3. 心房細動の臨床像について、正しいものをえらべ。
a) 発作性心房細動をI 群薬で治療した場合、1 年あたり平均10%は治療抵抗性を示し持続性心房細動に移行する。
b) 持続性心房細動で電気的除細動での洞調律復帰は不可能である。
c) 持続性心房細動の除細動後、1年間の洞調律維持率は50%である。
d) 初発心房細動が自然軽快しても、多くが数年で慢性化する。
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問4. 疾患別の心房細動への治療方針について正しいものを二つえらべ。
a) 低心機能合併例において、Naチャネル遮断薬を用いた。
b) 肥大型心筋症合併例において、洞調律維持目的でアミオダロンを用いた。
c) 慢性呼吸器疾患合併例でテオフィリンを用いた。
d) WPW症候群合併例でジギタリスまたはベラパミルを用いた。
e) 妊婦が発作性心房細動を発症後に自然に洞調律に復帰したので経過観察とした。
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問5. 2013年の心房細動診療ガイドラインにおいて、CHADS2スコアが1点の場合に推奨されている薬剤を二つえらべ。
a) ダビガトラン
b) アピキサバン
c) リバーロキサバン
d) エドキサバン
e) ワルファリン
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問6. CHADS2スコアに含まれないリスクファクターとして、NOACやワルファリンが「考慮可」とされる因子を3つえらべ。
a) 心筋症
b) 女性
c) 心筋梗塞や血管疾患(大動脈プラークやPADなど)
d) 甲状腺疾患
e) 年齢(65歳~74歳)
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問7. 抗凝固療法中の出血リスクに関し、特に注目される重大な出血関連因子に該当しないものをえらべ。
a) 薬剤、アルコール歴
b) 50kg以下の低体重
c) 不安定なPT-INR値
d) 75歳以上の高齢者
e) 50ml/min以下のクレアチニンクリアランスを示す腎機能低下例
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問8. 除細動前後の抗凝固療法について正しいものをえらべ。
a) 発症48時間以上経過したと推定される例では、除細動前1週間のワルファリン投与が望ましい。
b) 発症48時間以上経過したと推定される例の場合、血行動態が不安定でも除細動は禁忌である。
c) 発症48時間以上経過したと推定される例では、除細動後4週間のワルファリン投与が望ましい。
d) 発症48時間以上経過したと推定される例で、除細動前にダビガトランを投与する場合はclassⅠに相当する。
e) 経食道心エコーで血栓があれば、除細動前1週間のワルファリン投与が望ましい。
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問9. 処置前にワルファリンをヘパリンに置換する必要のあるものを二つえらべ。
a) 抗凝固薬単独内服中の症例で出血低危険度の消化管内視鏡手技を行う場合
b) 抗血小板薬併用中の症例で消化管内視鏡手技を行う場合
c) ペースメーカ植え込み術
d) 白内障手術
e) 大手術
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問10. 心房細動の心拍数調節について、正しいものを二つえらべ。
a) 目標心拍数は130bpm未満である。
b) ジギタリスは運動時の心拍数も低下させる。
c) 副伝導路がある場合にはⅠ群抗不整脈薬を用いる。
d) ジギタリス、β遮断薬、非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は併用できない。
e) 薬物療法での脈拍調節が困難な場合、房室結節や副伝導路への焼灼術はclassⅡaである。
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問11. 心房細動の洞調律化について適切なものを二つ選べ。
a) Brugada症候群合併例へのNaチャネル遮断薬の投与
b) 持続性心房細動へのベプリジルの投与
c) QT延長を認める例へのベプリジルの投与
d) ベプリジル不応性の持続性心房細動に対してアプリンジンの併用
e)器質的心疾患が無い場合にもアミオダロン使用の保険適応は認められている(2013年ガイドラインの時点)。
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