この記事は、2022年11月10日に更新しました。

6月、7月は、総合内科専門医試験を受験する方にとっては中だるみしやすい時期です。
ですが、自分の不得意な領域を減らす機会ともいえます。
いかに知識の引き出しを増やせるか・・・、それによって試験の得点が底上げされますから、まさに踏ん張りどころです。

さて、今回は試験会場での注意点を少々。

Ⅰ. 時計を忘れて泣きをみる・・。～壁時計の無い試験会場～

筆者の失敗談を述べます。

むかし、筆者が認定内科医の試験を受けたときのことです。
筆者は腕時計を忘れてしまったことがあります。

事前の学会からの通知には、
「持参するもの：受験票、鉛筆、腕時計・・・」
などときちんと書かれていましたが、筆者は腕時計を身につける習慣が無かったため、つい試験の当日も腕時計を忘れてしまったのです。

腕時計が無いことに気がついたのは試験前日の夜でしたが、宿泊先のホテル周辺では、コンビニくらいしかありませんでした。
「もし試験会場に壁時計すらなかったらどうしよう・・・」
と不安になり、時計を扱っている店を探しましたが、けっきょく見つけられませんでした。

試験の前の晩というのは、勉強した内容の最終確認や直前情報のチェックに追われるものなのですが、なぜか筆者は見知らぬ町中を不審者のようにきょろきょろと彷徨う羽目になったのでした。

試験本番―。
やっぱり、試験会場に壁時計はありませんでした・・・。

・・・残り時間がわからない状況は、果てしなく不安なものです。

ペース配分がまるで出来ませんから、とにかく早く問題を解くしかありません。
時間が無くなって、解答欄が空欄のまま・・・という事態はなんとしても避けたかったのです。
答えがあやふやな設問は、後で見直して熟考しました。

なんとか合格はしましたが、不要なスリルを味わい、あまり集中できなかった記憶があります。

試験中に携帯電話で時刻を確認することなど不可ですから、必ず腕時計を準備しておきましょう。

Ⅱ. 試験当日の昼食会場は確保困難！お弁当を持参しましょう。

いわずもがな、とお思いかもしれませんが、実は試験会場の間近の飲食店で昼食をとろうと考える受験者がわりと多いのです。

「だって東京なんだから、ちょっと歩けば食べるところくらいあるだろう」

という算段のようですが、パシフィコにせよ都内にせよ、お昼時はどこも混み合います。

また、休日のオフィス街は空いている・・・とは限りません。

何よりも、受験者が多いのです。

試験の休憩時間になるとともに皆が一斉に飲食店に駆け込むわけですから、まず数分で店は満席になると思った方がよいでしょう。

また、コンビニも長蛇の列になることを忘れてはいけません。

試験会場で旧友と話しこんでいるうちに、コンビニの弁当が買いつくされてしまった・・・なんていう話もあります。
試験会場に向かう途中で、昼食は持参しておくようにして、試験会場でそのまま食べるようにしてしまった方がbetterです。
ついでに、糖分補給の甘い物も用意しておくと良いかもしれませんね。

Ⅲ. 解けなかった問題は、休み時間に速やかに確認しよう！参考書は必須です！

試験のインターバルは、極力解けなかった設問の復習に回すべきです。

なぜならば、同じ問題が出題されるからです。

”同じ問題”は少し言い過ぎかもしれませんが、午前中にサルコイドーシスの診断基準を問われ、午後にはサルコイドーシスの画像問題が出題される・・・なんてこともよくあります。
この試験の休憩時間こそ、すこしでも得点を上げる最大のチャンスなのです。
決して、友人と「あの問題解けた？」「いや、ダメだった」のような会話に何十分も費やすべきではありません。

難問が出題された直後、「さっきの難問の正答って何だろう？」とさっさと調べて、もう二度と間違わないようにするかどうかで、次の試験の得点が変わってきます。

この同じ疾患が出題される現象は、医師国家試験でも同様のようです。

問題作成者が複数にわたると、自然にトピックスに偏りが出てくるのでしょう。

少し荷物が重たくなりますが、試験のインターバルで参考書を開く必要がありますから、愛用の書籍、参考書は、必ず試験会場まで持参しましょう。
最近は筆者が受験した時代とちがい、スマホやタブレットにまとめておけるため、教材もずいぶんと軽量化したようです。なんだか隔世の感がありますね。