今すぐ実践!「10年経っても忘れない」医師国家試験対策の勉強法!

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この記事は2022年11月20日に更新しました。

 試験対策は”急がば回れ”

もくじ

 

 

Ⅰ. --「過去問をおさえよう!」--

医師国家試験対策の勉強法は、やはり過去問をおさえることが基本でしょう。
なぜならば、過去問を解いておくことで、ズバリ医師国試の要点を早めに把握できるからです。
ここでいう医師国家試験対策の勉強の要点とは、

ⅰ)頻出問題の傾向

ⅱ)病態や徴候、基礎医学分で知っておくべきポイント

の二つです。
ⅰ)は試験対策という観点からみたもので、「皆が正答できる分野で自分だけが誤答する」という、”落ちる典型パターン”にハマらないための最低限のテクニックです。

でも、筆者としては、ⅱ)の方が大事だと思っています。
例えば、サルコイドーシスという疾患は特徴的なポイントがいくつかあるのですが、漫然と参考書を眺めているだけでは、重要な情報の優先順位がわかりません。
もしかしたら、「サルコイドーシスの発症はHLA-DRB1遺伝子と相関する」と、臨床であまり役に立たない情報を覚える一方で(少なくとも2022年時点では、知っていても現場では役に立ちません)、「血液中のACEやリゾチームが上昇する」「類上皮細胞肉芽種がみられる」といった常識を知らない、なんていうチグハグな状況にもなりかねません。
これは、情報の重要性の順位がわかっていないために起きる悲劇です。

ちなみに、読者の中にも「論点がずれてしまう人を見たことがある」――そういう人も多いでしょう。
そういう残念な人とは、「最低限、これは覚えておくように」というポイントを把握する習慣を身に着けておかなかった人に多いと思います。
そして、そういう人は独善に陥りやすく、臨床の現場に出たときに斜め上のおかしなことをしでかしてしまいます。

少し話がそれてしまいました。

先に挙げた医師国家試験の要点をおさえておくと、普段の大学の講義内容までもがガラリと変わります。

「講義内容が変わる? 講師は変わらないじゃないか」 と、思う方もおられるでしょう。
――そう、講師は変わりません。変わるのは、講義の聞き手であるみなさんなのです。

少し話がとびますが、みなさんの大学の講義はわかりやすいですか?

⇒高尚であらんとするあまり、専門用語を並べ立てる講義をされていませんか?
⇒学生が置いてけぼりになっていませんか?
⇒ただ漫然と講義に出て、出席日数を確保するだけの作業になっていませんか?

青春の時間は有限で貴重なものです。
ときには、部活や交遊関係に時間を費やしたいこともあるでしょう。 だからこそ、自分の手で普段の講義を効率の良いものに変えていく工夫が求められるのです。

専門家とは、初学者の気持ちにうとい傾向があるといわれていますから、きっとみなさんの医学部でも講義が難解な先生もおられるのではないでしょうか?
そもそも、私も講義経験があるのでわかりますが、医学部の講師とは、教え方を学んだ人たちではないのです。
はっきり言えば、”講師”とは年功序列でそのポジションに立った人であり、講義が上手いから役職についたわけではないのです。だから、どの先生も我流で講義をするのです。

ですが、あらかじめ医師国家試験の過去問を予習しておけば、講義のポイントもとらえやすくなるでしょうし、講師の弁と書籍の記載との食いちがいを発見できるなど、今までよりも一歩進んだ学習にのぞむことができるようになります。

講義のポイントは国家試験の山場でもあるのですから、効率よく聴取しておきたいものです(臨床上の重要なポイントでもあります!)

 

←おなじみ『クエスチョン・バンク』!

 ご周知のとおり、この問題集なくして国家試験対策は語れませんね。

分野別に編集されており、進級試験対策でも非常に重要な問題集です。

 

 


 

 

Ⅱ. --「選択問題から脱却しよう!」--

では、とにかくクエスチョンバンクのような過去問題集をひたすら解いておけばよいのでしょうか?

筆者も、かつてはそのような『問題集の反復法』を行った経験があります。

この方法の利点は、出題傾向や各分野、疾患のポイントがわかる点です。
また、実際に問題を解くことで緊張感やモチベーションが向上する点も挙げられると思います。

ですが、それでは長く頭に残らないのです。

既にポリクリをされている方ならピンとくるでしょう。
いくら問題集を解いても、とっさのムントに答えられないのです。

ムントとは、本当に知識が定着しているかどうかを見定める非常に有効な指導法の一つといわれています。
ですから、ムントに即応できない方は、残念ながら自分はまだしっかりと覚えていないものだと認識した方がよいでしょう。

例えば、このような会話を思い浮かべてください。

「あれ、慢性心不全の予後改善薬ってなんだっけ?」
「β遮断薬でしょ?」
「そうそう、それそれ。選択肢を並べてもらったら答えられたんだけどなぁ」
「私なんて、“β遮断薬”と“β刺激薬”が並んでいて、どっちだったか忘れて呆然としちゃったわよ」

・・・如何にペーパーテストで及第点でも、これでは真の意味で知識を得ているとはいえませんよね。

ペーパーテストで高得点でも、レジデントになったとたんに臨床力がともなわない・・・、筆者はそんな若手医師をたくさんみてきました。

なぜ、そのような現象が起きるのでしょう?

さきに結論をのべると、「ペーパーテストの出題形式が選択問題を提示する形式」だからです。
極論になりますが、選択問題で点数を取るということは、”正答が混ざった選択肢を並べてもらい、答を当てるだけの作業”にすぎないのです。

真の実力とは、選択肢を与えられなくても答えられることを指します。
この真の実力―定着した知識―を養うことなく、目先の進級試験や卒業試験のたびに医師国家試験対策の問題集を解き直す、というのは、メッキが剥がれるたびに、だましだまし貼り直す作業をしているだけなのです。

レジデントとして豊かな臨床力を発揮していくには、メッキのままでは通用せず、中身を黄金にしなければなりません。
そして、医学部に入学したみなさんならば、誰もが等しく黄金に化ける実力を秘めているのです!

 

では、どのようにしたら知識が定着して、真の実力を得られるのでしょうか?

筆者はまず、選択問題からの脱却を提案します。
もちろん、過去問題集を解くことは試験対策のうえで最重要項目のひとつですから、「クエスチョンバンクをやるな」とは言いません。
ただ、漫然と解き直し作業を反復していても効率が悪すぎます。

では、参考書をひたすら熟読すればよいのでしょうか?
正直、それもあまりおすすめしません。

知識はINPUTのみでは定着せず、OUTPUTを反復することで定着することが成人学習の研究のうえで証明されています。
よく言いますよね?
「”知っている”と”やれる”は別」
と。

熟読法でうまくいく方は、必ず読んだ内容の思い返しを行っています。
それは、いま読んでいる内容と、さっきまで読んでいた内容を間断なく関連付けさせながら読み進めるという高等な学習法です。もしかしたら無意識のうちに、脳内で反芻作業をしているのかもしれません。

ですが、この方法ではよほどの集中力と読解力が求められます。
人によりけりでしょうが、雑念だらけの青春時代を邁進する学生たちに、この方法を求めるのはあまり現実的ではないでしょう(一回読んで覚えるのですから、もっとも効率がよいのですが)。

そこで、筆者が提案する医師国家試験対策の勉強法とは、口頭試問形式の練習問題を解くことです。
口頭試問形式国試対策演習問題”じしゅムン!”

まさに予習なしでポリクリに臨む気分で、このムント集をいつもコツコツと解いてみてほしいのです。
特に、「なんどもクエスチョンバンクを解いているのに、いまひとつ点数が伸び悩んでいる」・・・そんな学生がいちばんフィットするでしょう。

知識はOUTPUTしてこそ身に着く、と前述しました。
たとえば、なにかの機材・・・―身近なものであれば、今まさにみなさんが手にしているスマートホンやパソコンなど―の使いかたは、何度もみなさん自身が様々な機能を試しているからこそ身に着いたものです。
知識もまた道具であり、毎日使い、習慣化していくため忘れられなくなるのです。

 


 

 

Ⅲ. --「自主ムントを実践してみよう!」--

 

あらかじめ留意して頂きたい注意点があります。

それは、筆者からの「問い方が大雑把」という点です。
例えば、「急性心筋梗塞症が疑われた場合に、最も大事な検査は?」などという問い方をされたら、皆さんはどのように答えますか?

当然、「心電図が大事な検査」を正答としたいところですが、
「心筋逸脱酵素の有無も大事だから採血検査が答だろう」
「今の時代、冠動脈造影法だろう」
と、答えられる方もいるでしょう。
あるいは、「Killip分類もあるから、胸部レントゲン写真だって大事じゃないか」と主張される方もおられるかもしれません。臨床医としては、いずれも正解と返事をしたいところです。

このような悪問が生じうるのは、自由記載問題と同じく、問題の解釈次第で正答が複数になるものなので、避け難いのです。
しかし、中には心電図も胸部レントゲンも、冠動脈造影すら思い浮かばない危うい学生だっています。
得意分野と非特異分野が極端で、得意分野に対するプライドが半端に強いあまり、つい知ったかぶりをしてしまう人もいるでしょう。得意だと思っていた分野で、思いがけずいい点を取れず、肩を落としている学生もいるかもしれません。

当コンテンツで提示する練習問題とは、そうした人々を鍛えるものでもあります。

筆者としては、常識と言える知識すら危うい学生が、当コンテンツで少しでも成績を伸ばし、学年上位の同級生を追い抜いていってほしいと心から思うのです。

なお、先ほど例に挙げたような練習問題に対して、複数の解答を思い浮かべることができて「答がいくつもあるから悪問じゃん」と指摘することのできる学生は、勉強しているがためにかえってペーパーテストの点数で一番になれないだけ(出題側の文章記載が悪いだけ)なので、実力は十分にあるはずです。

臨床現場では、答が一つではありません。

色々な検査や治療の道筋を患者さんに提示して挙げられる方が、医者としての引き出しが多いと言えます。おそらく、解答をいろいろ思い浮かべられる学生は、器用とはいえませんが将来的には一番頼りにされる医者になる素質があると思いますので、ぜひ、その調子で勉強を続けていってほしいものです。

ちなみに、「急性心筋梗塞症が疑われた時の大事な検査とは?」という問題を、選択問題に仕立てるとしたらどのようになるでしょうか。

おそらく、選択肢として出題されるならば、”腹部造影CT”のような、全く関係ない選択肢が混ぜられてくるか、”最も優先順位の高い検査はどれか”という問い方をされてくるでしょう(後者は不適切問題になりやすく、出題側も好みません)。

反復になりますが、自分の血肉となった知識は、なかなか忘れられません。
医者になってからも患者さんへの説明の場などで知識を道具として日常使用していると、たとえ専門外の内容でもまったく古びません。医師国家試験対策で学んだ内容は、プライマリケアを実践する上で重宝するのです。

 

 

 

←海外では『カレント』『ハリソン』といった成書での学習が定番ですが、知識の確認程度であれば、本邦の『イヤーノート』のような試験対策向けの参考書を用いた方が効率的だと思います。

 

 

 

Ⅳ. --「まとめ」--

ここまで述べてきたことをまとめます。

POINTS!

過去問を解いて、講義のポイント、試験の山場を早めにおさえよう!

選択問題解き慣れても、真の実力とはいえません。選択肢を与えられなければ回答できないレベルでは、非常に危ういです。

自主ムントとでもいうべき、一問一答式の問題を解いて実力を伸ばしましょう!

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